衹園囃子

祇園で逞しく生きる姉妹の姿を描いた溝口健二の後期傑作

「赤線地帯」など女性が中心の特殊な社会を題材にした映画を得意とした溝口健二監督が京都の花街・祇園を舞台に、そこで暮らす人々を描いた人間ドラマ。宮川一夫の花街を切り取った素晴らしい映像も楽しめる。男の身勝手な価値観に翻弄され悲劇に見舞わえる姉妹を描いた戦前の溝口作品の名作『祇園の姉妹』の、戦後版的色合いを強く感じるさせる作品。戦後となり、世相も変わり、戦前の『祇園の姉妹』よりも穏当なドラマに仕上がっている。

監督: 溝口健二

公開年月日:1953/08/12 収録時間:81分

◆第2回ブルーリボン賞(1951年)
助演男優賞(進藤英太郎)/助演女優賞(浪花千栄子)

監督 溝口健二
脚本 依田義賢
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
製作会社 大映(大映京都撮影所)

木暮 実千代(美代春・芸子)
若尾 文子(栄子・美代栄)
進藤 英太郎(沢本・栄子の父)
河津 清三郎(楠田・車両会社の専務)
菅井 一郎(佐伯・楠田の部下)

母を失くし舞妓志願で頼ってきた娘を引き受けた売れっ子芸者は、特定の旦那も持たずに祇園の中で頑張っていたが、置屋の女将に背いた為、お座敷に呼ばれることもなくなってしまう。女の悲しさと図太さを描いた日本映画の魅力を堪能できる作品である。

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