ミッキーマウスのデビュー作『蒸気船ウィリー』短編シリーズがラインナップに加わりました。

文輝堂のラインナップにミッキーマウスのデビュー作である短編映画『蒸気船ウィリー』のシリーズ14作品がラインナップに加わり上映会が可能になりました。ぜひこの機会にこのミッキーマウスのシリーズの上映会をご検討ください。またパッケージ化も予定しておりますのでご期待ください。

『蒸気船ウィリー』(原題:Steamboat Willie)は、1928年11月18日に米国で公開されたウォルト・ディズニー制作の短編のモノクロアニメーション映画でミッキーマウスはこの映画で初めて世に登場することになり人気を不動のものにしました。本作はミッキーマウスのデビュー作としてつとに有名ですが、映画史に大きな足跡を残したのはそれだけが理由ではありません。この映画は世界初のトーキー・アニメーションでもあったのです。

1920年代後半になるまでは映画には音声がありませんでした。音声を載せた映像を楽しめるようになるには初のトーキー映画『ジャズシンガー』(1927年)の公開を待たねばなりませんでしたが、この映画を観たウォルト・ディズニーは強く感化を受け、アニメ初のトーキー映画をつくることを決意しました。

本作『蒸気船ウィリー』の公開時、観客の反応を初めて見たウォルト・ディズニーは以下のように述懐しています。
「観客の反応はまさに衝撃的でした。観客は音と動きの融合に、ほとんど本能的に反応していました。私はからかわれているのかと思ったぐらいです。あまりに素晴らしく、それは明らかに新しいものを示唆していました」

その後翌年の1929になるまで本作を合わせ実に14本の映画が公開され大きなヒットになりました。またそのアニメーションの表現力はどんどんと進化を深めていきました。

いま見てもその音と動きの融合は、楽しくクリエイティブなものです。音を得たことで表現力は大きく広がり、さらにウォルト・ディズニーの奇抜なアイディアが付与されることが、この短編アニメ映画を極めて魅力的なものにしています。子どもから大人まで楽しめるディズニー映画の原点がここにあることがわかるでしょう。またウォルト・ディズニーが本作のシリーズを通してどのようにクリエイティビティ(創造性)を高めていったのか、その軌跡を追うことも興味深い見方につながると思います。ぜひこの機会に上映会の企画をご検討ください。

なお過去に国内で販売されたビデオでカットされていた「オクラホマミキサー」のシーンは、今回のBunkidoのバージョンではカットされておりません。母豚の乳を吸っている子豚の尻尾をミッキーが次々に引っ張り演奏する愉快なシーンはそのまま再現されておりますので完全版に近いバージョンとなります。

全作品リスト

1.蒸気船ウィリー  原題 “Steamboat Willie”
2.ギャロッピン・ガウチョ 原題 “The Gallopin’ Gaucho”
3.プレーン・クレイジー 原題 “Plane Crazy”
4.お化け屋敷 原題 “The Haunted House”
5.バーン・ダンス 原題 “The Barn Dance”
6.ミッキーのオペラ見学 原題 “The Opry House”
7.ネコの居ぬ間のタップダンス 原題 “When the Cat’s Away”
8.裏庭の闘い 原題 “The Barnyard Battle”
9.カーニバル・キッド 原題 “The Karnival Kid”
10.ミッキーの汽車旅行 原題 “Mickey’s Choo-Choo”
11.ミッキーのフォーリーズ 原題 “Mickey’s Follies”
12.ミッキーの畑仕事 原題 “The Plowboy”
13.ミッキーの浮かれ音楽団 原題 “The Jazz Fool”
14.ミッキーの海山越えて 原題 “Wild Waves”